実は、着物の虫干しをいつかしないといけないとわかっていながら毎日の生活に追われてわすれてしまい、できずじまいの人も多いものです。
実際着物の虫干しの知識を知っている人も少ないと思います。
そこで今回は正しい「着物の虫干しの知識」を解説します。
着物の虫干しの時期は1年で3シーズンあります。
- 土用干し 7月下旬~8月下旬の梅雨が明けたシーズン
- 虫干し 10月下旬~11月上旬の衣替えのシーズン
- 寒干し 1月下旬~2月上旬の乾燥したシーズン
詳しく説明しますので最後まで参考にご覧ください。
着物のお手入れで無駄な出費がなくなり、大切な着物の保管方法を知ることができます。
この記事の目次
着物の虫干しの時期はいつが最適?
着物の3干しとは?適切な時期はいつか?
着物の虫干しとよく聞きますよね?1年間で着物をメンテンナスする時期は3シーズンあります。
それぞれ解説します。
- 土用干し
- 虫干し
- 寒干し
今ではどのシーズンでも「虫干し」と呼んでいます。
秋に衣替えをするシーズンが一番着物のメンテナンスをしている名残で虫干しが定着したものの考えられます。
1年間で3回最適なタイミングがありますので、正しい知識で大切な着物をメンテナンスしましょう。
土用干し
着物の土用干しの目安は
7月下旬~8月下旬
一年で一番湿気が多い時期が梅雨時期になりますので、梅雨明けは最適です。
お住まいの地域によりますので、あくまで参考までに。
気を付けたいのが、この時期はここ数年猛暑の為、和室や着物を仕舞っている部屋の室温に気を付けてください。
着物の虫干しは案外時間がかかります。熱中症対策もお忘れなく。
個人的にはこの時期はおススメしません。
虫干し
着物の虫干しの目安は
10月下旬~11月上旬
昔からこの時期に着物の点検をしていた事から定着したものです。
俗にいう衣替えのシーズンの事です。
昔はコオロギが鳴き始めるころが目安だとか言われていました。
寒干し
着物も寒干しの目安は
1月下旬~2月下旬
一年で一番湿気の少ない時期といわれています。湿気の少ない時期に寒干しましょう。
着物の虫干しの目的は?
虫干しの最大の目的は3つあります
- 風を通して湿気を払う事
- 今持っている着物の定期的な点検
- タンスの中の害虫を取り除く事
絹の着物の最大の敵は「湿気」なんです。
長くタンスの中にしまいっぱなしの着物には結構湿気がたまります。
湿気はカビのや縮みの原因にもなる為、できれば定期的に虫干しして湿気を取り除きたいものです。
二つ目は今持っている着物の点検の為にも虫干しをやると良いですね。
着物は不思議と買った時期と着る時期が違う事が良くあります。
何年も前に買った着物をいざ着ようとしてシミやシワがあってすぐに着れないなんて事も良くあるもんです。
定期的に点検することで事前の準備にもつながりますね。
最後にタンスの中の害虫を取り除く為ですが、害虫はウールの着物に来るもんです。
もしタンスにウールの着物がなければ害虫対策は必要ありませんが、すみずみまで点検しておきましょう。
併せてタンスの中も掃除したいものです。
着物の虫干しに最適な時間帯は?
ベストなタイミングは
10:00~15:00
当日晴れていても前日まで雨が降っていた場合などは注意が必要です。
必ず週間天気予報はチェックしておきましょう。
着物の虫干しに最適な場所は?
最適な場所は
和室もしくは家の北側の広めの部屋
直射日光を避ける場所でなければ、長時間着物を干した場合「ヤケ」の原因になってしまう為です。
虫干しをしたまでは良かったけど、陰干ししてたつもりでもヤケていたなんて相談も度々受けますね。
着物の虫干しは意外と場所を取ります。
やるからには1着では済まないはず、3枚、4枚と広げるうちに足場がなくなるなんて事も少なくありません。
出来れば10畳以上の広い和室で行いたい物ですね。
しっかりした着物ハンガーを使って虫干ししましょう。
着物の虫干しが忙しくてできない人向けの簡単な方法
着物をたたんで入れているたとう紙から出してそのうえで広げて風を通すだけでも効果がありますよ。
タンスを下の段から順番に引き出しひな壇にあけて扇風機で風をあてておくのも効果的とされています。
忙しい方は是非お試しください。
着物を虫干しする3つのメリット
定期的に着物を虫干しする事では3つのメリットがあります。
- 着物にシミ・カビがないか確認できる
- 着物にシワがないか確認できる
- 着物に変色がないか確認できる
こまめに虫干しを実施することで、無駄な出費を抑えましょう。
着物にシミ・カビがないか確認できる
着物は現代の生活では頻繁に着ない人が大半です。
長年にわたってタンスの中で保存する為、シミやカビになるケースも少なくありません。
特にカビには注意しないといけないのですが、カビの主な原因は「湿気」です。
タンスの中は意外と湿気があり、特に絹の着物には湿気が大敵になります。
長期保存する着物の代表的な物は
- 黒紋付(喪服)
- 黒留袖
- 振袖
が多いです。
上記3点の着物をお持ちの方は定期的な虫干しをおススメします。
特に黒紋付(喪服)・黒留袖はカビが目立ちます。
数年に1回使うかわからない着物はカビに気を付けましょう。
振袖に関しては20年~25年越しにタンスから出す人もいる為、定期的なメンテンナスをしてあげることでママ振りとしてお嬢様の時代まで活躍できる振袖として保存できます。
上記以外の着物でも絹の着物や長襦袢、帯なども湿気を避ける事できれいな状態で長期保存がでいます。
着物を長期保存するためにもお供に「除湿シート」を活用しましょう
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是非重い腰を上げて定期的なメンテナンスを施してあげてください。
全体的なカビ落としは15,000円~20,000円ほど費用が掛かります。
着物にシワがないか確認できる
キレイに畳んでいてもいざタンスから出してみると意外なところにシワが入っているものです。
キレイに畳んでいても長期保存でシワになっていることもあります。
適度な虫干しで畳みシワを少しでも解消できますよ。
シワ落としのプレス加工ですら2,200~3,300円ほどかかります。
着る時に残るような強烈なシワにならない様に虫干しを実施してみてください。
着物に変色がないか確認できる
大切な着物をクリーニングに出してそのままタンスにしまったからと言って安心していませんか?
タンスの中に入れる「防虫剤」「ナフタリン」を併用することでタンスの中でガスが発生して「変色」を起こすことがあります。
科学物質が長年タンスの中でジワジワと変色の原因を作り出していきます。
タンスの中を密閉させない為にもしっかり虫干しを実施してください。
ガス焼けによる修正は「色差し」などで行います。
個人では修正は不可ですので変色を直したいときは専門のプロに任せないと解消できません。
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今は自宅で申し込めて簡単に着物のクリーニング依頼ができます。
忙しい人やなじみの着物専門店がない人はネットでお願いしましょう。
晴天が2日以上続いた時 の10:00~15:00
の間がベストとされています。
理由は家の中の湿気が少しでも少ないときに行う為です。
着物を虫干しする3つのデメリット
着物の虫干しはやればメリットも多いですが、デメリットも存在します。
時間がかかる
ある程度スペースが必要
時間がかかる
着物を虫干しする時は
- タンスから着物を出す
- たとう紙から着物を出す
- 着物ハンガーにかける
- ある程度の時間干す
- 畳んでたとう紙にしまう
- 和タンスにしまう
まえもって気合を入れて「虫干しするぞ!」と決めておかないとできないものです。
半日~一日ががりで虫干しするのが普通だと考えておきましょう。
ある程度スペースが必要
着物をハンガーにかけて干すと本当にでかいと感じます。
その着物は何枚もあり、帯があり、長襦袢があればある程度広いスペースが必要になります。
家の和室でできる人ばかりではないので、ワンルーム住まいの人や、マンションでやるにはまず、部屋をある程度片づけて、スペースを確保することから始めた方が良いでしょう。
結論、着物の虫干しは散らかります。
しっかりスペースを確保してください。
着物の虫干しの時期はいつが最適?まとめ
- 一年でお手入れに最適な時期は3回。土用干し・虫干し・寒干し
- 虫干しする日、時間帯を考える
- 場所も考慮して行う
大切な着物を長く着る為に虫干しは大事な作業です。
少し大変ではありますが、やるとやらないでは将来的なコストが違ってきます。
正しく行いたいものです。